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  • 2009年2月15日日曜日

    「台湾の声」【論説】ラファイエット事件 (21)

    【論説】ラファイエット事件(21)
    サルコジ疑惑


         アンディ チャン

    ラファイエット事件はフランス側の引き伸ばし戦術と証拠の集まらな
    い状態で終焉しつつあるように見えたが、今年に入って急にサルコジ
    大統領がリベートを選挙資金に流用した疑惑が出てきた。

    ラファイエット事件はフランス側では収賄者の追及、台湾側はトムソ
    ン社の違法収賄と賄賂の追及、それに承認の不可解な死の真相追究な
    どいろいろな問題が錯綜している。2007年10月に収賄罪で無期徒刑を
    受けた張可文が釈放されたあと不可解なバイク事故で死亡した事件が
    あった。続いて2007年12月にはスイスにあった郭力恆兄弟の秘密口
    座が発覚し、スイスにあった口座の金を取り戻すことに成功した。

    ●フランス政府の牛歩戦術

    ラファイエット事件の広がりは台湾、中国とフランスだけでなく、賄
    賂がルーマニア総統、およびモロッコ野党党首の暗殺にも使われた疑
    惑もあり、いわば世界的な犯罪疑惑だが、スイス法廷は台湾側が汪伝
    浦(Andrew Wang)及びトムソン社に対する告訴をフランス政府の非協
    力のため一時休止すると決定した。しかし今年に入って突然、フラン
    スの「バクシーシ・インフォ(Bakchich.info)」と言うインターネット
    雑誌がサルコジの介入疑惑について報道したことから事件の調査が再
    燃した。周知のようにバクシーシは「賄賂」の意味で、この雑誌は2006
    年5月に創立されたものである。

    ラファイエット艦の購買と後続の台湾高速鉄道の建設、ミラージュ戦
    闘機とMagic空対地ロケットの購買に関して当時の財務部長サルコジ
    が介入してきたことは2006年の「清流事件(Clearstream)」で当時の
    首相ドビルパンが偽造収賄者リストのディスクを配布したとして法廷
    で係争中である。

    バクシーシ・インフォの報道(2月11日)によると、サルコジが収賄者
    ディスクをロンドー情報部長(Gen. Philippe Rondot)に送りつけたエ
    アバスの副社長ゲルゴラン(Jean-Luois Gergorin)と部下のラフード
    (Imad Lahoud)、首相ドビルパン等を告訴した清流事件案は、今
    年9月から法廷査問が始まる。

    ●"バクシーシ"の暴露記事

    2006年に起きた清流事件では、次期大統領の選挙の候補者だったドビ
    ルパンが政敵サルコジがラファイエット艦の販売に纏わる44人の収
    賄者の一人であるとしたディスクをロンドー情報部長に送りつけたと
    して悪者にされたドビルパンは選挙から敗退し、結果としてサルコジ
    が大統領に当選した。しかし今回の記事ではサルコジの介入が事実だ
    った可能性が出てきて本当の悪者は誰なのかわからなくなり、形勢逆
    転した様子で、9月の法廷尋問に多大な影響を及ぼすと見られる。

    バクシーシ紙の報道では、2006年1月にもとDGSEのエージェントで今
    はBercy Perquisitionnent Business社の職員がフランス造艦局(DCN)
    が報告書をフランス検察署に勤めるマラン検察官(Jean-Claude Marin)
    に送りつけ、マラン検察官は調査を開始した。国家財務調査
    局(National Financial Investigation (DNIF)が資料を分析したところ、
    当時の大統領候補者で内政部長だったサルコジに不利な情報が多量に
    入っていた。

    その後サルコジが大統領に当選したので、この案件は不問にされると
    予想されたが、予想に反して二年の調査のあとマラン検察官
    (Jean-Claude Marin)は最高検察署に2007年11月22日に13
    ページあまりの「Bribery」と題した報告書を提出した。これには1993
    年当時財務長官だったサルコジがBRAVOと呼ぶトムソン社(現在
    Talesと改名)が台湾に対するラファイエット艦の販売のリベート・キ
    ックバックを1995年当時の首相バラドゥー(Edouard Balladur)の
    大統領の選挙資金に使ったと言うのである。

    ●バラドゥーの大統領選挙とサルコジの介入

    マラン検察官の"Bribery" と名付けた報告書にはラファイエット販売
    のリベートはルクセンブルグにあるHeineとEuroluxの二つの会社に
    送金され、この二箇所から不明な各地に送金、つまり、ルクセンブル
    グでマネーロンダリングの操作が行われたと報告している。

    報告書によるとBRAVOからTANGOにいたるリベート資金はナポレ
    オンと呼ぶグループが使用していたが、ナポレオンの主導者が当時の
    財政部長サルコジであったという。1995年の大統領選挙ではバラドゥ
    ーが立候補したが、選挙は三位に終わり、ジャック・シラクが当選し
    た。この選挙でサルコジはバラドゥーを支持していたのである。

    だがこれが真相とすれば、清流事件でサルコジがラファイエット事件
    のリベートが台湾、フランスと中国の三国に分割された賄賂の一部を
    選挙に使用した疑惑が生じる。清流事件の報道でドビルパンは選挙の
    前にニセ情報を流した悪者とされていたが、9月に行われる裁判でサ
    ルコジの介入が明らかになる可能性も出てくる。

    ●台湾側の資料

    台湾側が2006年に発表した起訴状には、汪伝浦(Andrew Wang)がラフ
    ァイエット事件その他で9億2年万ドルあまりのリベートを受け取っ
    たとしている。Operation BRAVOと呼ぶトムソン社のラファイエット購
    買案では18.6%のリベートを取り、後続のTANGOと呼ばれる、マトラ
    (Matra)社から購入したミラージュ戦闘機の購買には10%のリベート
    を台湾側が払ったと報道されている。さらにBRAVOのあと、今の副総
    統・蕭万長がフランスで取りまとめた高速鉄道の購買(台湾で
    BRAVO-TGVと呼ぶ)は、数年後に李登輝の命令で欧州規格から日
    本の新幹線規格に変更したが、この変更の予算に「余計に200億元」
    が組み込まれたと報道している。

    台湾と中国、フランスが介入したフランスからの購買案は調査すれば
    三国に衝撃を与えるのは必定だが、殊にこの度、陳水扁の汚職犯罪の
    起訴のため特捜部が陳水扁の家宅捜査で発見した資料には、ミラージ
    ュの購入案(TANGO)に300億ドルのリベートが含まれていた証拠が見
    つかったと報道されている。

    ●ボァバン(Jean-Marie Boivin)と収賄者リストの存在

    ラファイエット事件の調査でフランスの検察特捜部が意外に発見した
    BRAVOの収賄者リストは、当時の首相リオネル・ジョスパンが国家機密
    として封印したため法廷でこの資料を使うことが出来なくなった。

    ところが2007年11月にマラン検察官が"Bribery"と名付けて最高検
    察署に提出した報告書にはジャンマリー・ボァバンがラファイエット
    事件の収賄者リストを所持している、リストはチューリッヒのUSB銀
    行の安全金庫に収蔵してあると報道している。これまでの調査でボァ
    バンは、リストは存在しないと証言したこともあった。

    ボァバン(Jean-Marie Boivin)は謎に満ちた人物で、もとはフランス
    造艦局(DCN)に勤めていたが、その後フランス造艦局国際部(DCN
    International, DCNI)を創立し、ボァバンはこの主任として、本来は
    30人の部員が120人にまで増加した。ところが2006年になってDCNが
    Thales と合併してDCNS を創立し、ボァバンは解雇され、この際に200
    万(金額不明)を要求したが会社側は返事しなかった。その後でボァ
    バンは不可能とわかっていながら800万から1000万ユーロダラーを要
    求し、世界中に「私はDCNとフランスに貢献した」と言う手紙をばら
    撒いた。手紙の宛名はホテル・マティニョンに住む当時のドビルパン
    首相とサルコジ内務部長で、内容はスイスのUSB銀行の金庫にラファ
    イエット事件の収賄者リストがあるという脅迫じみたものである。

    フランス国防部はラファイエット事件の収賄者リスとはフランスの国
    家機密だから永久に公開できないとしているが、フランス法律の解釈
    によるとスイスにある文献は国家機密ではないから、台湾側はリスト
    を取得出来るはずだと言う。しかし馬英九政権になって事件の収賄者
    リストが公開されれば台湾の蒋系中国人のみならず、中国の政府要員
    にも大打撃となるのでニュースを冷淡に扱っているようである。

    ●フランス側の主要関係人物

    台湾の陳玉慧記者の報道によると、ラファイエット事件に関与したフ
    ランス側の主要人物も殆ど引退してしまった。元外相のデュマは健康
    がよくないと報道されているし、収賄で有罪判決を受けたマダム・ジ
    ョンクールはデンマーク人と結婚し、歌手になったという。台湾で辣
    腕を振るったフランスのソシエテ・ジェネラル銀行のジョエル・ブシ
    ェーは精神状態がおかしくなって、母親の死はフランスの暗殺による
    と主張していると言う。また、ブシェーは精神病院に入院中と言う。


    『台湾の声』 http://www.emaga.com/info/3407.html

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